番組制作コンテストの審査(2年目)

昨日、広島県立誠之館高等学校にて、広島県高等学校放送文化連盟の福山支部尾三支部が主催する番組制作コンテストの公開審査。昨年に引き続いて、審査員長を務めさせていただいた。全国高校放送コンテスト(NHK杯)の広島県大会を含めると三度目の番組審査なので、講評の仕方にだいぶこなれてきた。

昨年と同様、午前中に予備審査をおこない、昼過ぎに高校生がやってきて、公開審査と講評・表彰。NHK杯の規定に準じた創作ラジオドラマ部門に、今年は5校7作品が応募。

昨年よりも格段にレベルが上がっていて、お世辞抜きで驚嘆した。音響効果などの演出技法には(制作環境の違いもあり)実力の差があるけれど、物語の構成力の水準が軒並み高かったのが印象的。

コメディタッチもあればシリアスタッチもあって、作風はとても多様なのだけれど、興味深いことに、7作品すべてが例外なく(!)、学校の教室もしくは部活の息苦しさ、そのなかでの身近な他者(クラスメイトもしくは部活の後輩)とのコミュニケーションの不自由さ、それらをどう乗り越えて「成長」するかということを作品のテーマに据えていたのだった。NHK杯に応募する作品もあるだろうから、ここでネタばらしができないのが残念。放送部の高校生たちの等身大のリアルではないけれども、教室でのバトルロワイヤル状況とその克服というのは、創作の前提として織り込み済みなのであり、意外なところでゼロ年代の想像力に触れたのだった。

ゼロ年代の想像力

ゼロ年代の想像力

友だち地獄 (ちくま新書)

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