『私のいる場所』展@東京都写真美術館

最終日。「新進作家展vol.4 ゼロ年代の写真論」と題された、世界各国の50年代から80年代生まれの作家15組の写真展。最年少(1981年生まれ)のアンニ・エミリア・レッパラというフィンランドの作家は、先月訪ねたUIAH修士課程の学生らしい。写真それ自体のクオリティにおいては、ニコール・トラン・バ・ヴァン、池田晶紀の作品が秀逸だったが、巨大企業の女性幹部を取材して、会議室と自宅リビングの風景を撮影しているジャクリーヌ・ハシンクの仕事も面白かった。また、作家性を解体した写真表現を集めた「日常への冒険」というフロア(ロモグラフィー、みうらじゅん、セカンド・プラネット)が、この企画を格段に面白くしている。ロモグラフィーによるロモカメラのコレクション展示に対して、「わしはカメラを見たくて写真展に来たんじゃない。魚を食べようとして釣り竿を見せられてるようなもんだ」と解説員の方に絡んでいるどうしようもないおじいさんがいたが、この人、みうらじゅん×いとうせいこうザ・スライドショー(総集編のDVD)には大喜びだった。