「岩波映画の1億フレーム」(於:東京大学福武ホール)

2月14日(金)の午後。盛況だった。事前申し込みをしていたけれど、開演直前に滑り込んだところ、後ろの壁際の補助席。立ち見の観客も多数。こうしたシンポジウムを長時間聴くという機会が、最近は滅多にないので、どっと疲れた。

  http://www.kirokueiga-archive.com/event/index.html

第1部「岩波映画の可能性を見る」は、岩波映画のダイジェスト上映と、80歳を過ぎてなお壮健な羽仁進監督の語りに感銘。中村秀之先生の報告も精妙。第2部「開かれたアーカイブに向けて」は桂英史先生のプレゼンテーションが興味深かった。歴史研究をやってる立場上、アーカイブ学の動向は強く意識しつつも、福山に居てはなかなか、文献から知りうる以上の現場感覚を実感しづらいので、ひじょうに勉強になった。

以下、覚え書き。桂先生の主張する「映像アーカイブの必要条件」。(1)原資料(オリジナル)を所有していること、(2)原資料(オリジナル)保存の施設を備えていること、(3)原資料(オリジナル)の保存と修復の技術を組織として擁していること、(4)資料管理の組織を持つこと、(5)多様な映像に関する専門家を組織として擁していること、(6)利用(サービス)の組織をもつこと、(7)Fair Use(公共利用)の法的根拠をもつこと(注:「映像アーカイヴ基本法」があってもいい)、(8)人材育成(高等教育機関)をもつこと。