頂戴した本(『ポピュラー音楽と資本主義』、『九州という思想』、『地域SNS最前線』)

最近いただいた本。まだ読めていないのだけれど、いずれも良書なので、まずはご紹介まで。夏休みに腰を据えて読みます。

版元から頂戴した。僕の所属している学科には、ポピュラー音楽研究をやりたいと思っている学生が多いので、これは格好の教科書になる。ちらっと見せた学生には好評。講義で使うにはいいとして、これを学生に貸した場合、1章(マルクス主義的批判理論の導入〜アドルノ的なペシミズムに対するポピュラー音楽研究からの批判)をクリアできるかどうかが、ちと心配。

  • 松本常彦・大島明秀編『九州という思想』花書院、2007年

著者の一人である毛利嘉孝先生からご恵贈いただいた。「戦時期日本の文化・運動・地方」、「占領期の〈九州〉と密航・密貿易」など力作が12篇。最近は(専門ど真ん中でない限り)こういう硬派で渋い論集から遠ざかっているので、斜め読みをしただけでも、いい刺激を受ける。

著者の一人である三浦伸也さんから頂戴した。ネットワーク化されるべき地域とはいったい何か、それはいかに開かれ、いかに閉じられるべきか・・・4人の著者のあいだで認識の違いは大きいはずだが、ガイドブックという体裁をなしているので、良くも悪くも、そのズレが最小限におさまるように調停されている。立場が違う4人のガチンコ勝負も見てみたい。

  • 山口誠『グアムと日本人 ―戦争を埋立てた楽園』岩波新書、2007年

著者の山口誠さんは、大学院の先輩(ただし入れ違い)であるという以上に、メディア史研究の先輩であり、若手研究者のなかで僕がもっとも強く意識してきた方(つまりファン)。ラジオのオーディエンス研究を突き詰めた末、今はグアムのフィールドワークをされているということをうかがい、その冒険に驚くとともに、何だかうれしくなったのだった。カルチュラル・スタディーズやメディア史の視座を、若手がこれからどう引き受けていくかということを考えるうえで、本書のスタンスは僕にとって、非常に示唆に富んでいる。


ポピュラー音楽と資本主義

ポピュラー音楽と資本主義


地域SNS--ソーシャル・ネットワーキング・サービス--最前線 Web2.0時代のまちおこし実践ガイド

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グアムと日本人―戦争を埋立てた楽園 (岩波新書)

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