テレビジョン・スタディーズ研究会(第2回)のお誘い
『テレビジョン・スタディーズ・シリーズ』は、これまでせりか書房から刊行されてきた『メディア・スタディーズ』、『メディア・プラクティス』、『なぜメディア研究か』、『テレビはどう見られてきたのか』、『沖縄に立ちすくむ』、『日式韓流』などに続き、新しいメディア研究のパラダイムを、特にここでは「テレビ」に焦点化して、博士課程の院生や助手といった若手研究者の作品を一挙に刊行していくことで、世に問おうとしているものです。
この研究会はすでに、各自が執筆構想を発表した第一クールを終えており、現在は第二クールとして、研究会をオープンにし、テレビ研究・メディア研究に関心のある方々と意見交換を行いながら、月一回のペースで草稿の検討会を開催しています。
第二回は以下の内容で開催致します。事前申し込みは不要です。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。
日時:
12月7日(木)18:30〜21:00場所:
東京大学大学院情報学環 本館6階会議室報告者:
李 受美(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
要旨:
高度経済成長期の戦後日本における国家と国民というアイデンティティの再構築のモメントをテレビドラマシリーズの大河ドラマとともに考えていく。しかし、本論の目的は戦後日本のナショナリズムへの分析や批判ということではなく、本論の関心はむしろ、当時の新しい形態の想像機制が心地よく受容、あるいは訴求されていた社会的コンテクストにある。例えば、「ジャパンアズナンバーワン」というキャッチフレーズを達成していく自分たちを努力一筋で天下をとった秀吉の物語と同一化させるような社会コンテクストと、そのナラティヴの文法を「日本」のナラティヴにしていくテレビドラマ、また、それを自分のナラティヴとして受け入れる大衆の、アプロプリエーション(appropriation)過程である。
お問い合わせ:
飯田 豊(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
iida[at]ics.t.u-tokyo.ac.jp
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『テレビジョン・スタディーズ・シリーズ』執筆陣(予定)
1.テレビと戦後日本:
吉見俊哉(東京大学大学院情報学環教授)
2.テレビのテクノロジー:
飯田 豊(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
3.テレビと歴史の語り:
李 受美(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
4.テレビと経済:
石川幸太郎
5.テレビとスポーツ:
庭野 匠(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
6.テレビとコマーシャル:
高野光平(東京大学大学院人文社会系研究科助手)