南海放送(RNB)「マホラマ。」(日本民間放送連盟メディアリテラシー実践プロジェクト)が始動

yut-iida2008-10-30


南海放送ラジオセンターが取り組んでいる日本民間放送連盟メディアリテラシー実践プロジェクトが、10月から本格的に始動。プロジェクトの名称は「マホラマ。ー愛媛のワカモノ☆コミュニティ」。当初は他の実施局と同じように、ワークショップを軸とした活動を想定していたのだけれど、成り行き上、秋改編でスタートした新番組と連動することになり、これまでに経験したことがないタイプの実践研究に発展することになった。

   http://www2.rnb.co.jp/web/radio/mahorama/

10月5日(日)はこのプロジェクトに参加する高校生たちとの初顔合わせ。その前日に水越伸先生東京大学先端科学技術研究センター沼晃介さんと松山入りし、今後の方向性を含めた打ち合わせ。初顔合わせのワークショップは、(1)ケータイを使った自己紹介ムービーの撮影と鑑賞、(2)局内見学のなかで「イメージと同じ」「イメージと違う」と感じた写真をグループごとに撮影し、お互いに発表し合うというもの。この日の様子はこちら。

   http://blog.rnb.co.jp/young/?p=111

(1)は今後の活動に関連する、準備運動的なワークショップ。(2)は似たようなことを今年、富山チューリップテレビ岡山放送でも実施しており、初顔合わせの会合で局内見学と併せておこなうのに適している。当日は昭和女子大学の駒谷真美さんも合流。

冒頭で書いた通り、南海放送がおこなうメディアリテラシー実践プロジェクトは、毎週日曜夜11時から1時間放送される「1116 night school 第一マホラマ。学園」という番組のなかで紹介される。プロジェクトに参加するために集まった高校生たちは、この番組のなかで「生徒会(ユース)」と呼ばれており、ちょうど初顔合わせの日の夜が最初の放送だった。初MCの現役女子大生マリーさんが「新任英語教師」、ベテランMCの藤田晴彦さんが「教頭先生」、プロジェクトをサポートしてくれる大学生たちが「教育実習生」、そしてディレクターのA子さんが「学園長」という位置づけ。中高生のリスナーが学園の「生徒」ということなので、その他のリスナーはメール投稿のさい、「保護者」もしくは「PTA」と名乗るルールになっている。僕はさしずめ「用務員」といったところか。

僕はこの日、オンエアの時刻までに松山から家に戻ることができず、聴きそびれてしまったのだけれど、2週目以降は電話を通じて聴くようにしている(ラジオにそういうサービスがあるということを初めて知った)。

   http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1210407522

MCのマリーさんもディレクターのA子さんも駆け出しなので、いろんな課題が見え隠れしてるのだけれども、少しずつ独自のカラーが出せるようになるといい。そういうゆるさがラジオの魅力だということに、このプロジェクトに関わって改めて気付いた。

その2週間後、10月19日(日)が2回目のワークショップ。このプロジェクトでは、media exprimoの開発している技術システムと文化プログラム(具体的には、9月にArs Electronicaで発表したKeitai Trail)を援用することになっているため、今回はmedia exprimoから沼さんのほか、鳥海希世子さんと阿部純さんがワークショップに参加。僕はというと、ひとつ前の記事に書いた通り、大学祭の行事と重なってしまっていたために参加することができず、やむをえず前日の打ち合わせのみに出席。

土曜の昼過ぎに大学を出発して、福山から今治まで高速バス。今治から特急しおかぜに乗り換えて松山へ。17時から1時間強、JALシティのカフェにて4人で話をし、そのあと南海放送にうかがい、今後のことを含めて22時近くまで打ち合わせ。その後、4人は道後温泉本館の裏手にある旅館にチェックインしてから食事に出かけたのだけれど、道後のお店は22時がラストオーダーというところが多い。やむをえず、風俗店やストリップ劇場が並んでる路地に入っていくと、地元客が多い庶民的な飲み屋があったので、そこに0時過ぎまで滞在。その後、旅館で3時過ぎまでゆるりと話をしてから就寝。僕は単身、6時に起床するとともに道後温泉本館に浴衣で出かけ、湯に浸かったあと、旅館に戻って朝食。8時30分発の高速バスで福山へ戻り、そこから大学へ直行。かなりの強行軍だった。ワークショップに立ち会えなかったのは申し訳なかったが、おおむね成功したとの報告を受けて一安心。この日の様子はこちら。

   http://blog.rnb.co.jp/young/?p=147

さらにその1週間後、10月25日(土)が3回目のワークショップ。午前10時開始ということで、それに間に合うように到着するつもりだったのだけど、前夜に時刻表を調べてみると、それがかなり大変だということが分かった。朝7時に福山から高速バスに乗ると、8時24分ごろに今治に着くのだけれど、乗り換えるつもりだった特急しおかぜが1時間以上なく、それでは10時に松山に着けない。仕方なく今治からは各駅停車に乗車(乗り換え時刻が10分しかなかったので、バスの到着が遅れたらどうしようかと冷や汗をかいていた)。松山までは1時間以上を要し、駅からはタクシーに乗り換えて、10時ちょうどに南海放送に滑り込み。事前の打ち合わせをする間もなく、ワークショップがスタート。

このプロジェクトの核になるのが、高校生たちがケータイを使って町で取材活動をおこなうということなのだが、この日はその具体的な説明と話し合いをしたほか、いくつかのレクチャーを実施。午前中は田中和彦局長のお話で、ラジオの魅力を多いに語って下さった。午後は寺尾英子アナウンサーによる「ラジオインタビューの極意」で、これから取材活動をおこなう高校生たちにノウハウを提供。午後のレクチャーからは、生徒会(活動のコアメンバー)ではない高校生や中学生も参加。そして最後に僕が30分ほどのレクチャー。この日の様子はこちら。

   http://blog.rnb.co.jp/young/?p=175

ワークショップ終了後、夜までウルフさん、A子さんと今後の打ち合わせ。ワークショップを核とするプロジェクトとそれを紹介する番組とは、基本的には切り分けて考えているのだけれど、お二人が両方に関わっている以上、どうしても重なる部分が多くなってしまうので、この日はどちらかというと番組に関する相談に時間を使った。プロジェクトのほうが軌道に乗ってきたということだろう。

「マス&コミュニケーション」プロジェクトのブログのほうに、ちゃんとしたレポートを載せなければいけないんだけど、ずいぶんと時間が経ってしまった・・・。