関西出張
- 16日(土)、日本マス・コミュニケーション学会マルチメディア研究部会に参加するため、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)へ。CSCDの会議室は、万博記念公園内の日本万博記念機構ビルの中にある。早く着いたので、太陽の塔の近くまで行ったり、機構ビルの隣の万博記念館に入ってみたりした。研究会は「臨床の哲学・実践のデザイン:コミュニケーションデザインの冒険2」というタイトルで、多摩美術大学の須永剛司先生が代表を務めるCRESTの研究プロジェクト「情報デザインによる市民芸術創出プラットフォームの構築」の構想が議論の中心。しかし、そもそも市民芸術って何?ってところから出発しなければならなかったので、この構想に対してどの程度、臨床哲学やメディア実践といった観点から考察を深めることができたかは、少し微妙。参加者はほとんど、東大(学環)、多摩美(情報デザイン)、大阪大(CSCD)に関わりがある人たちで、平田オリザさんをはじめ、東京から日帰りで参加している方も多数。終了後、千里中央の北海道居酒屋で懇親会。ほとんどの人が千里阪急ホテルを予約していたのだが、僕は予約が間に合わなかったため、新大阪駅から近いホテルに単身で宿泊。
- 17日(日)の朝、千里中央駅で部会の関係者と合流し、10数名で京都へ。京都三条ラジオカフェを視察。そして午後、再び大阪へ。新世界のフェスティバルゲート内にあるremo(NPO法人「記録と表現とメディアのための組織」)を視察。この日は、ダニエル・クルックスというニュージーランド生まれのビデオアーティストの上映会をやっているところで、こうした活動は、ビデオアートセンタートーキョーの関西版といった趣き(ビデオアートセンターの瀧健太郎さんとは実際に交流があるという)。しかしその一方で、レクチャーやワークショップによる教育プログラムや、人類学的映像(私的記録)のアーカイヴ化なども推進していて、実に射程が広い。短時間の視察では詳細は分からなかったが、大したものだ。2年近く前、「SAPB」というフリーペーパーを手に入れたことがあって、これに掲載されていた「日常の中のメディア」という特集がかなり面白かったことを記憶していたのだが、これを制作したのがremoだったということを初めて知った。「日常の中のメディア」には、アスケ・ダムさんが北欧で提唱、実践しているe-cinemaについても触れられていて、ずっと不思議に思っていたのだったが、数年前にアスケさんがremoを訪ねたことがあったらしい(ちなみに、アスケさんは現在も来日中で、前日の部会から行動を共にしていた)。隔月で発行されている「SAPB」は、フェスティバルゲートに入居している「新世界アーツパーク事業」の4団体が共同で製作しているらしい。さて、大阪市が200億円の負債を抱えたまま、細々と営業しているというフェスティバルゲート内の探索も、異世界体験で興味深かった。週末はジェットコースターが営業しているので、それなりに騒々しい。ほとんどの施設が閉鎖しているにも関わらず、インフォメーションセンターは稼働していて、案内係の女性が1名、ブース内に待機しているのが不気味だった(女性の背後の各階案内には唯一、「ジェットコースター」と書いてあるだけ)。視察団とは夕方に新世界で別れて、新大阪に単身でもう一泊。