テレビジョン・スタディーズ研究会のお誘い

 秋もいよいよ深まり、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと、お慶び申し上げます。
 今回は、私たちが企画している『テレビジョン・スタディーズ・シリーズ』研究会への参加をお誘いしたく、ご連絡を差し上げた次第です。
 『テレビジョン・スタディーズ・シリーズ』は、これまでせりか書房から刊行されてきた『メディア・スタディーズ』、『メディア・プラクティス』、『なぜメディア研究か』、『テレビはどう見られてきたのか』、『沖縄に立ちすくむ』、『日式韓流』などに続き、新しいメディア研究のパラダイムを、特にここでは「テレビ」に焦点化して、博士課程の院生や助手といった若手研究者の作品を一挙に刊行していくことで、世に問おうとしているものです。
 この研究会はすでに、各自が執筆構想を発表した第一クールを終えており、これからは第二クールとして、研究会をオープンにし、テレビ研究・メディア研究に関心のある方々と意見交換を行いながら、月一回のペースで草稿の検討会を開催していく予定です。
 初回は以下の内容で開催致します。事前申し込みは不要です。
 皆様のご参加をお待ち申し上げております。


日時:
  11月16日(木)18:30〜21:00

場所:
  東京大学大学院情報学環 本館6階会議室

報告者:
  庭野 匠(東京大学大学院学際情報学府博士課程)

テーマ:
  ナショナル・メディアの変容と海外サッカーブーム


要旨: 
 本書は、衛星・多チャンネルメディアの登場に象徴される90年代以降の日本のメディア秩序の変容や、グローバルなメディア秩序との関係を、90年代後半以降加熱した海外サッカーブームという現象を通して切り取っていくものである。フジテレビやSkyperfecTV!といった国内メディア企業の海外サッカーコンテンツ放映戦略やグローバル資本との交渉戦略に関するインタビュー調査を題材として、メディアスポーツの分野におけるグローバル化とはいったい何だったのか、グローバル化や多チャンネル化、デジタル化の中で日本のメディア秩序はどのように変容してきたのか、そしてこれからの可能性は何なのか、という問いに答えを出すことを目指したい。
 今回は、海外サッカーコンテンツの主力放送元となってきた、SkyperfecTV!の発展過程とその海外サッカーコンテンツ放映方針の変遷を記述した章を発表する予定である。


お問い合わせ:
  飯田 豊(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
         iida[at]ics.t.u-tokyo.ac.jp

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『テレビジョン・スタディーズ・シリーズ』執筆陣(予定)
 1.テレビと戦後日本:
     吉見俊哉東京大学大学院情報学環教授)
 2.テレビのテクノロジー
     飯田 豊(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
 3.テレビと歴史の語り:
     李 受美(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
 4.テレビと経済:
     石川幸太郎
 5.テレビとスポーツ:
     庭野 匠(東京大学大学院学際情報学府博士課程)
 6.テレビとコマーシャル:
     高野光平(東京大学大学院人文社会系研究科助手)